221 部分意匠

物品のある部分だけを対象にする意匠も保護を受けることができることを、部分意匠の説明でご理解いただけたと思います。ここでは、部分意匠として登録を受けるための要件を見ていきます。
部分意匠も通常の全体意匠と同様に、工業上の利用性から一意匠一出願までの要件を満たさなければなりません。但し、類否の判断が必要な新規性、先願意匠と一部同一の除外や先願であることの要件は、部分の特徴に注目することになります。
まず、何の物品の部分であるのか、と物品を問題にすることは全体意匠と同じです。物品が非類似であれば、部分意匠も類似しないとされます。次に、「意匠登録を受けようとする部分」の用途と機能を認定します。次に、「意匠登録を受けようとする部分」の位置、大きさと範囲を認定します。終わりに、「意匠登録を受けようとする部分」の形態(形状、模様、色彩とこれらの結合)を認定します。登録を受けようとする部分意匠と比べる公知の意匠の共通点と差異点を認定し、個別評価のうえ、総合評価する手法は全体意匠の場合と同じです。