222 組物の意匠

「同時に使用される二以上の物品であって経済産業省令で定めるもの(「組物」という。)を構成する物品に係る意匠は、組物全体として統一があるときは、一意匠として出願をし、意匠登録を受けることができる。」(意匠法第八条)
【説明】いわゆるシステム・デザインとかセットもののデザインは、実際のデザイン創作で行われています。二つ以上の物品であっても、一つの意匠として認められるこの組物の意匠は、一意匠一出願の例外となります。但し、組物として認められるその物品の対象は省令(意匠法施行規則)で、「一組のディナーセット」など、56通りの組物に限定されています。通常の意匠の原則である一意匠一出願との区別を明確にしているといえます。
登録を受けるための要件は、まず条文とおり、省令で定める組物でなければなりません。次に、「二以上の物品」が審査基準に定める構成物品を原則として、少なくとも一品ずつ含まなければなりません。次に、「統一がある」とは、様々な態様があります。例えば、ディナーセットであれば、ゆりの花の絵模様で揃えている統一感とか、松竹梅のそれぞれの絵模様のように観念上関連を持たせる統一感があります。
これら組物に特異な要件の他に、工業上の利用性から登録を受けることができない意匠であってはならない、まで通常の意匠と同様の要件を満たさなければなりません。