223 関連意匠
「意匠登録出願人は、自己の意匠登録出願に係る意匠又は自己の登録意匠のうちから選択した一の意匠(「本意匠」という。)に類似する意匠(「関連意匠」という。)については、当該関連意匠の意匠登録出願の日がその本意匠の意匠登録出願の日以後であって、第二十条第三項の規定によりその本意匠の意匠登録出願が掲載された意匠公報の発行の日前である場合に限り、第九条第一項又は第二項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができる。」(意匠法第十条第一項)【説明】一つのデザイン・コンセプトを基本にして、多少の変化を加え創作される、いわゆる一群のバリエーション・デザインも保護を図る必要があります。このため、平成10年に法改正され、この関連意匠制度が創設されました。同日に、同一出願人から出願された場合には、関連意匠が本意匠と類似の意匠であっても、本意匠と同等の価値を有するものとして保護する制度です。意匠として同一又は類似であっても、後願が意匠法第九条第一項で拒絶されないのです。実際の商品開発においては、当初製品の市場投入後に需要動向を見ながらバリエーション・デザインを追加していくことも行われ、デザイン戦略をより柔軟にできる制度が求められました。そこで平成18年に法改正され、同日出願だけでなく、同日以降、意匠公報の発行前日までの出願が関連意匠として認められることになりました。
関連意匠として登録を受ける要件は、出願人が本意匠の出願人であること、出願日が本意匠と同日から意匠公報の発行前日であることです。他の要件は、工業上の利用性から一意匠一出願まで、通常の意匠と同様の要件を満たさなければなりません。