331 出願手続きの流れ

意匠登録の出願手続きの流れをフロー図で図1に示します。
左側の列には、お客様、出願人様と当事務所などの代理人の手続きを、中央と右側の列には、特許庁や裁判所の処分や審査、審理を記載しています。手続きができる時期的要件も説明に記載しておりますので、併せてご覧ください。

図1 意匠登録の出願の流れ



[意匠登録出願の流れの説明]
@出願書類の受領:出願書類が手続き的・形式的に整っていれば受領され、提出した日が出願日となります。先願主義を採用していますので、デザインを創作したら早急に出願すべきです。
意匠法第四条では、一定の期間内(公然と知られた日から6月)及び一定の条件の範囲をもって、出願前公表の救済規定を設けています。出願する前に公表に至った場合、この救済制度を利用する手続きも忘れないようにしなければなりません。

A方式審査:提出された出願書類は、所定の書式通りであるかどうかのチェックを受けます。必要項目が記載されていない等の違反がある場合は、補正命令が発せられます。指定期間内に補正がされないときは、手続きが却下されます。

B実体審査:審査は、特許庁長官が指名した特許庁の審査官によって行われます。審査官は、出願された意匠が登録を受けることができるものか否かを審査し、拒絶理由がないかどうかを調べます。

C拒絶理由通知:審査官が拒絶の理由を発見した場合は、それを出願人に知らせるために拒絶理由通知書を送付します。審査官が拒絶理由に該当するという心証を得た場合でも、なんら弁明の機会を与えないで、ただちに拒絶査定することは出願人に対して苛酷です。また、審査官も全く過誤がないとは保証し得ないので、出願人に意見書を提出する機会を与え、その意見書を基に審査官が再審査する機会にする趣旨です。これによって、出願人は意見書を提出するに必要な相当期間(通常40日)が与えられます。

D意見書・手続補正書の提出:例えば、既に公知の意匠と類似しているという理由で拒絶された場合、出願人は、公知意匠とは異なる美感を生じさせるという反論を意見書として提出する機会が与えられます。

E登録査定:審査の結果、審査官が拒絶理由を発見しなかった場合は、登録すべき旨の査定を行います。また、意見書や補正書によって拒絶理由が解消した場合にも登録査定となります。出願から登録査定まで、現状の平均は約7ヶ月を要しています。

F拒絶査定:意見書や補正書をみても拒絶理由が解消されておらず、やはり登録を受けることができないと審査官が判断したときは、拒絶をすべき旨の査定を行います。

G拒絶査定不服審判の請求:拒絶査定に不服があるときは、拒絶査定不服審判を請求することができます。ただし、請求できる期間は査定の謄本の送達があった日から3月以内です。この期間を経過すると、不服がないものとして、拒絶査定が確定します。

H拒絶査定不服審判:拒絶査定不服審判の審理は、特許庁の三人または五人の審判官の合議体によって行われます。審判官の合議体による決定を審決といいます。審理の結果、拒絶理由が解消したと判断される場合には登録審決を行い、拒絶理由が解消せず登録を受けることができないと判断される場合には、拒絶審決を行います。

I設定登録:登録査定がされた出願については、出願人が登録料を納めれば、意匠登録原簿に登録され意匠権が発生します。ここではじめて、意匠登録第何号という番号がつくことになります。意匠権の設定登録後、意匠登録証書が出願人に送られます。ただし、登録料を納付することができる期間は査定又は審決の謄本の送達があった日から30日以内です。

J意匠公報の発行:設定登録され発生した意匠権は、その内容が意匠公報に掲載され、一般公衆に公開されます。

K審決取消訴訟の提起:拒絶審決に不服があるときには、審決取消訴訟を知的財産高等裁判所に提起することができます。ただし、提起できる期間は審決の謄本の送達があった日から30日以内です。この期間を経過すると、不服がないものとして、拒絶審決が確定します。

L審決取消訴訟:知的財産高等裁判所は、審決取消の請求に理由があると認めるときは、当該審決を取り消し、審決取消の請求に理由がないと認めるときは、請求を棄却します。
当該審決が取消された場合には、拒絶査定不服審判でさらに審理を行い、再度審決をします。

M上告の提起:審決取消訴訟の判決に不服があるときは、上告審を最高裁判所に提起することができます。ただし、提起できる期間は判決の送達があった日から2週間以内です。この期間を経過すると、不服がないものとして、原判決が確定します。

N上告審:最高裁判所は、上告に理由があると認めるときは、原判決を破棄し、上告に理由がないと認めるときには、判決で上告を棄却し、原判決が確定されます。