111 意匠登録出願

意匠登録を受けるためには意匠登録出願をする必要があります。
日本は先願主義といって一日でも早く意匠登録出願したものが、権利を独占できることになっています。
特許と同じように早い者勝ちですので、なるべく早く出願の手続きをすることが求められます。
意匠登録出願をするためには、六面図といって六方向から見た図面などを作成して願書とともに意匠登録出願します。
ここで、意匠とは、物品のデザインのことをいいます。
「意匠」という言葉は、国語辞書などでは、①文芸や美術のうえで工夫や趣向、又は工夫を凝らすこと、②美術・工芸・工業製品などの装飾上の工夫、英語designの訳語、などの意味とされています。しかし、意匠法では、「この法律で『意匠』とは、物品(物品の部分を含む。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。」(意匠法第二条第一項)と定義しています。一般の用語に比べて、『意匠』を構成する要素を物品の形状などに狭め、また『意匠』の働きを視覚上の美感を起こさせることに狭めているといえます。

では、なぜそのように『意匠』の意味を狭めているのでしょう。法律制定の目的は、「この法律は、意匠の保護及び利用を図ることにより、意匠の創作を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。」(意匠法第一条)としています。つまり意匠制度の目的は、産業の発達にあるので、保護を図り、利用を図る意匠も、一般用語としての「意匠」ではなく、産業の発達に関係するものに限定しているといえます。